On The Night   - 1993 -
Dire Straits


1, Calling Elvis コーリング・エルヴィス (10:25)
2, Walk Of Life ウォーク・オブ・ライフ (05:06)
3, Heavy Fuel ヘヴィ・フユエル (05:23)
4, Romeo And Juliet ロミオとジュリエtット (10:05)
5, Private Investigations 哀しみのダイアリー (09:43)
6, Your Latest Trick 愛のトリック (05:35)
7, On Every Street オン・エヴリー・ストリート (07:01)
8, You And Your Friend ユー・アンド・ユア・フレンド (06:48)
[ Personnel ] 9, Money For Nothing マネー・フォー・ナッシング (06:28)
10, Brothers In Arms ブラザーズ・イン・アームズ (08:54)
Mark Knopfler [lead guitar, lead vocals]
John Illsley [bass, backing vocals]
Alan Clark [keyboards]
Guy Fletcher [keyboard, vocals]
Danny Cummings [percussion]
[Paul Franklin [pedal steel]
Phil Palmer [guitar]
Chris White [flute, saxophone]
Chris Whitten [drums]
Recorded : <20th May 1992> Les Arenes, Nimes, France, <30th May 1992> Feijenoord Stadion, Rotterdam, Netherlands
Producer : Mark Knopfler, Neil Dorfsman, Guy Fletcher
Release : May 24, 1993
Label : Vertigo Records(U.K.) , Warner Bros. Records (U.S.A.)



1991年から約1年半に渡るワールド・ツアーのハイライトを収録したダイアー・ストレイツ2枚目のライヴ・アルバムです。
レコーディングされた会場は1992年5月20日のフランス、ニーム公演と同年5月30日のオランダ、ロッテルダム公演の2箇所です。
基本的には同時発売されたライヴVIDEO[ On The Night ]と同内容ですが、VIDEOの方が3曲多く収録されています。

ちなみにその3曲は[ The Bug ]、[ Solid Rock ]、[ Local Hero - Wild Theme]ですが、CDシングル[ Encore ]に全て収録されていますので音だけでもほぼ同内容の演奏が楽しめます。

このライヴ・アルバムでの演奏は非の打ち所の無い完璧な演奏といっても良く、後期ダイアー・ストレイツの集大成といっても過言ではないと思います。
メンバーもオリジナル・メンバーのJohn Illsleyを筆頭に、アルバム[ On Every Street ]でもフィーチュアされていた天才スティール・ギター奏者Paul Franklinはどんなタイプの楽曲でもその曲にピッタリの演奏を当てはめノップラーをサポートしています。
また1990年にPaul McCartneyの日本公演でもドラムを叩いていたChris Whittenのタイトかつグルーヴ感のあるドラムや無駄の無い華麗なパーカッションを披露するDanny Cummings、そしてノップラーの信頼も厚いキーボード陣のAlan Clark、Guy Fletcher、名うてのセッション・ギタリストであるPhil Palmerといった鉄壁の布陣でノップラーを支えライヴに臨んでいました。
これで演奏が良くない訳がありません。今までのダイアー・ストレイツのメンバーも良いミュージシャン達ばかりだったと思いますがこのツアーのメンバーはちょっと格が違う感じがしますね。

1曲目の[ Calling Elivis ]の長いイントロからオーディエンスの大歓声が聞こえてきて聴いているこちらも否が応でも気持ちが盛り上がってきます。
そしてこの曲の終盤ではライヴならではのアレンジでKnopflerとPhil PalmerとDanny Cummingsによるソロの掛け合いがあり早くもクライマックスの感がありますが、その余韻も冷めやらぬうちにヒット曲M-2[ Walk Of Life ]で観客をグイグイ引っ張っていきます。
この曲でのオーディエンスの盛り上がり方は尋常ではなく、ちょっと他のアーティストのライヴ・アルバムでも聞けないのではないかと思うほどの大盛り上がりです。
サッカーのワールド・カップやチャンピオンズ・リーグ等を観ても感じるのですがやはりヨーロッパのオーディエンスは熱いですね!
こんなに盛り上がってくれたらバンド側もやりがいがあるといいますか、より気合も入ろうというもので良い演奏にならないワケがないですね。

そして前回のツアーとは大きくアレンジを変え、M-3[ Heavy Fuel ]とのメドレーとなったM-4[ Romeo And Juliet ]ですが、ここではChris WhiteさんのテナーSAXが素晴らしく曲に彩りを添えており前回のライヴ・アルバム[ Alchemy ]に収録されたテイクよりも深みを増していると思います。

また次のM-5[ Private Invitigations ]も[ Alchemy ]に収録されていますが、今回の演奏はやや冗長な感じがしてしまいますね。これは映像と一緒の方が良いかもしれません。

M-6[ Your Latest Trick ]はアルバムのハイライトとも言える名演で、このアルバムからの唯一のシングル・カットとなったのも頷ける完璧な内容です。
パーカッションによるイントロからChris WhiteさんのSAXによるテーマが始まるとこのアルバム1番の大歓声が上がります。
終盤のSAXソロの後にPaul Franklinさんのラップ・スティールによる哀愁味溢れるソロがあり、その後一転してドラムが倍ノリのテンポを叩く秀逸なアレンジには何度聴いても興奮&感動されられます。
また個人的にはこの曲のこのアルバムのテイクはオリジナル・アルバムのテイクを遥かに凌駕したパフォーマンスだと思います。

M-7[ On Every Street ]、M-8[ Money For Nothing ]はソツの無い演奏で個人的には及第点といったところですかね。
M-9[ You And Your Friend ]もKnopflerとPaul Franklinさんのインタープレイが魅力の曲ですがスタジオ・テイクほどのスリリングさはなくこれも及第点といったところでしょうか。
またこのCDや同時発売のヴィデオに収められているのでピンとこないかもしれませんが、実はこの曲はOn Every Street Tour全体を通して数回しか演奏されていないレア曲です。

アルバムの最後を飾るのはM-10[ Brothers In Arms ]ですが、先程のM-6[ Your Latest Trick ]に勝らずとも劣らない名演を繰り広げています。
Paul Franklinさんのラップ・スティールによるバッキングが良い隠し味になっておりこの名演の最高のスパイスになっています。

この曲に限らずPaul Franklinさんのプレイはこのライヴ・アルバム全編で大フィーチュアされており、このライヴ・アルバムには無くてはならない強烈な個性を発揮しています。

しかし結果的に最後になってしまった本アルバムですが、文字通り有終の美を飾る名演でDire Straitsの歴史に名を刻みました。




<by Knopfleri (ノップレリ)>

個人的評価 ★★★★★ (満点 = ★★★★★)