Missing... Presumed Having a Good Time  - 1990 -
The Notting Hillbillies


1, Railroad Worksong レイルロード・ワークソング (05:29)
2. Bewildered ビウィルダード (02:37)
3. Your Own Sweet Way ユア・オウン・スイート・ワェイ (04:32)
4. Run Me Down ラン・ミー・ダウン (02:25)
5. One Way Gal ワン・ウェイ・ギャル (03:10)
6. Blues Stay Away From Me ブルース・ステイ・アウェイ・フロム・ミー (03:50)
7. Will You Miss Me ウィル・ユー・ミス・ミー (03:52)
8. Please Baby プリーズ・ベイビー (03:50)
[ Personnel ] 9. Weapon of Prayer ウエポン・オブ・プレイヤー (03:10)
10. That's Where I Belong ザッツ・ホェア・アイ・ビロング (02:51)
Mark Knopfler: guitar, vocals 11. Feel Like Going Home フィール・ライム・ゴーイング・ホーム (04:52)
Guy Fletcher: keyboards, vocals
Steve Phillips: guitar, vocals
Brendan Croker: guitar, vocals

[ Guest ]
Ed Bicknell: drums
Marcus Cliff: bass
Chris White: Saxophone
Paul Franklin: pedal steel
Recorded : Mark Knopfler's Prvate Studio, Notting Hill, London, U.K.
Producer : Mark Knopfler, Guy Fletcher
Release : Febuary 1990
Label : Vertigo Records(U.K.) , Warner Bros. Records (U.S.A.)



1980年代後半にDire Straitsの活動が一段落したMark Knopflerが、1970年代初頭にリーズで一緒にバンドを組んでいた旧友のSteve Phillpsと共に新しいバンドを組みました。
それがThe Notting Hillbilliesで、唯一のスタジオ・アルバムが1990年に発売されたこのアルバムです。

メンバーはMark KnopflerとSteve Phillips、そのSteveとデュオを組んでいたBrendan Crocker、そしてDire Straitsから頼れる相棒(子分 ? )のGuy Fletcherの4人が基本構成になります。

ライヴ等ではそのメンバーにスティール・ギターの名手Paul FranklinやDire Straitsでもお馴染みのSAXプレイヤーのChris White、そしてドラムにはノップラー・ファンにはお馴染みのDire Straitsのマネージャーであり現在もノップラーのマネージメント・オフィスのボスであるEd Bicknellがなんとメンバーで参加しています。
この人なくしてDire Straitsやノップラーの成功はなし得なかったとまでいえる裏方のボスですね。

ちなみにバンド名の由来はロンドン市内のノッティング・ヒルでヒルビリー・ミュージックを奏でる野郎ども(?)みたいな意味の合成語ですね。

アルバム内容ですが、カントリー&ウエスタンやロカビリー、ハワイアン、ラグタイム、ロックン・ロール、カリビアン、ケイジャン等を基調にしたいわゆるアメリカン・ルーツ・ミュージック系を英国人らしい陰影のある色彩で染め上げていて、この手の音楽が好きな人には堪らない内容でしょう。

一応バンド名義の曲はM-3[ Your Own Sweet Way ]とM-7[ Will You Miss Me ]、M-11[ Feel Like Going Home ]の3曲ですが、全編に渡って統一感のあるサウンドになっておりノップラー・ファンならずとも楽しめる内容になっていると思います。

まずアルバム冒頭の鉄道労働歌の様なM-1[ Railroad Worksong ]から聴き手を惹きつけます。
そしてJames Brownのカヴァーで有名なRonnie Johnson作のM-2[ Bewildered ]は原曲のカントリー・ブルースの風情とは違いぐっと渋くアコースティックなラグタイム調で迫ってきます。

その他シングルになったノップラーのオリジナル曲M-3[ Your Own Sweet Way ]もJ.J.ケールばりの曲調と男くさいコーラスが魅力の曲ですし、M-4[ Run Me Down ]はこのバンド名に相応しいカール・パーキンスばりのロカビリー調の曲でノップラーのギターも水を得た魚の様にイキイキとしたプレイを聴かせてくれますし、M-5の[ One Way Gal ]はモロにカリビアン風です。

そしてこのアルバムのハイライトといえる曲が最後に収められているM-11[ Feel Like Going Home ]は冒頭からBrendan Clockerが力強く歌い上げる非常にドラマティックな曲でノップラーのギターも非常に哀愁味溢れるフレーズを繰り出しており、この曲のドラマティックさに華を添えています。

一定のスタイルを崩さないながら様々なジャンルの楽曲をうまく配置した曲順なので、聴いていて飽きずに最後まで聴いてしまうアルバムだと思います。

このアルバムで敢えてダメ出しをするならば、あまりにもショボいシンセ・ベースや打ち込みのドラム・サウンドやチープなエコー処理ですね。
まあこの時代ならではの音といえばそうなのですが、楽曲や演奏自体は普遍性を保ったクオリティなのに、サウンドの方が時を経てしまうと安っぽく感じられてしまうのが残念ですね。

またこのアルバムには収められていませんが、翌年に発表するのDire Straitsのアルバム[ Calling Elvis ]や[ When It Comes To You ]、[ The Bug ]といった楽曲はこのThe Notting Hillbilliesのレパートリーであり、Dire Straitsでのそれよりもぐっと渋いカントリー調の演奏でした。

なので現在から振り返ってみると1990年代のDire Straitsやその後のノップラーのソロ活動の布石がここに敷かれている重要な位置づけのアルバムである事を再確認させられる1枚でもあります。

おそらくノップラーは肥大化する一方だったDire Straitsから一呼吸おいて、自らの音楽的ルーツや演奏の楽しさを再確認したのかもしれません。

しかし皆さん40歳代とは思えない渋い声とルックス(失礼!)ですね。

何はともあれ是非聴くべし!


<by Knopfleri (ノップレリ)>

個人的評価 ★★★★☆ (満点 = ★★★★★)