Love Over Gold - 1982 -
Dire Straits


1, Telegraph Road テレグラフ・ロード (14:15)
2, Private Investigations 哀しみのダイアリー (06:45)
3, Industrial Disease 公害病 (05:49)
4, Love over Gold ラヴ・オーヴァー・ゴールド (06:16)
5, It Never Rains イット・ネヴァー・レインズ (07:54)
[ Personnel ]
Mark Knopfler [lead guitar, lead vocals]
John Illsley [bass, backing vocals]
Pick Withers [drums]
Alan Clark [keyboards]
Hal Lindes [rhythm guitar]
Recorded : 1981-1982
Producer : Mark Knopfler
Release : September 16, 1982
Label : Vertigo Records(U.K.) , Warner Bros. Records (U.S.A.)



1982年9月に発売されたダイアー・ストレイツの4枚目のアルバムです。
このアルバムからギターのハル・リンデスとキーボードのアラン・クラークが加入しており、また残念ながらこのアルバム制作を最後にデビュー前からバンドのリズムを支えてきたピック・ウィザーズが脱退します。

アルバムの特色としては前作でも見られたストーリー性の高いドラマティックな大作志向がこのアルバムで全開となります。
何しろM-1の[ Telegraph Road ]から14分を超える長編ですし、一番短い曲でもM-3[ Industrial Disease ]の5分49秒もありますから聴く側も背筋を伸ばして正座して聴かなければという、妙な緊張感を強いるアルバムでもあります。

当時のニュー・ウェイヴ全盛の時代のポップスは3分30秒ぐらいが常識でしたが、そんな常識にはまるで囚われないノップラーの頑固な信念の様なものもこのアルバムの楽曲構成から感じる事が出来ます。

前述のM-1[ Telegraph Road ]は静と動を見事に集約させた見事な名曲で、名人芸の域に達しているギターも堪能出来ますし、曲の後半のバンド全員でのどこまでも駆け上がるかの様なドラマティックな展開は、思わず息を呑む程のスリリングさで聴く者を圧倒し、エンディングまでクライマックスが続きます。

またM-2の[ Private Invistigations ]は静のパートから一瞬雷鳴の様な激しいパートを迎えますがすぐにまら静へと戻っていく緊張感溢れる展開で、非常にライヴ映えする楽曲です。またこの曲では世界的に有名なJAZZヴィブラフォン奏者のマイク・マイニエリが参加し、曲に彩りを加えています。

そしてタイトル曲M-4[ Love Over Gold ]はM-1の前半の様な穏やかな展開に終始する曲でところどころ美しいメロディやギター・リックも聴けますが、曲の展開に詰めの甘さを感じさせるのが気になりやや消化不良といったところでしょうか?
ここでもマイク・マイニエリのヴィブラフォンが曲のラスト近くで挿入されており、M-2よりは存在感を感じさせるリリカルなプレイで曲に彩りを加えていると思います。

アルバム最後を飾るM-5[ It Never Rains ]はこのアルバムの中で最も以前のダイアー・ストレイツのスタイルに近い穏やかな曲ですが、個人的にはあまり印象に残らない曲です。

各楽曲のクォリティも高く、アルバムとしての完成度は高いのですが、バンドのアルバムとして考えると初期のアルバムではヒューマンなタッチでバンドが一丸となった温もりのあるサウンドだったのに対し、本アルバムではコンセプト重視で無機質な質感のサウンドであり、まるでノップラーのソロ・プロジェクト的なイメージに変化して来ていると感じます。

また一流ミュージシャンを適材適所で要所に使いこなす手法はノップラーが以前参加したSteeley Danのプロデュースから学んだものでしょう。

このアルバムで掴んだサウンドの質感、プロデュース手法等は次回作の[ Brothers In Arms ]でより顕著になり史上空前の売上枚数を記録するヒット作になりました。

ちなみにこのアルバムからのシングル・カットはM-3[ Industrial Disease ]で全英9位を記録しました。
アルバム・チャートでは全英1位、全米19位が最高順位となっていまして、イギリスでの人気が不動のものとなった事を表している結果だと思います。

そしてこのアルバムに伴う1年半に渡るワールド・ツアーでついに彼らは日本の地を踏む事になります。

<by Knopfleri (ノップレリ)>

個人的評価 ★★★★ (満点 = ★★★★★)